人生
生きるとは削っていくこと
そんな言葉をどこかで聞いて、すっと胸の奥深くにその言葉は着地してどれくらいがたっただろう。
あたりまえのように身の回りに溢れる、欲望を満たしてくれる様々なモノたち。テクノロジーは加速度を増してそれを担うために姿を変えていく。どこにいても、情報は遮ることのできない津波のように私を覆い、本当は何が欲しかったのかわからなくなるほど、跡形もなくつれ去っていく。
絵画と彫刻の大きな違いは
足していくことと引いていくことだ
始まりがそもそも違うといってもいい
私は絵描きでも彫刻家でもないから、根本から間違っているのかもしれないが、付け足していくことよりも削っていくことの方がスリリングで致命的なミスは後戻りが効かないのではないかと思う。
生まれてから、死ぬまでの間
私たちは何を削っていってるのか
死んでしまえばあの世に何も持っていくことはできない
あの世というものがなくてもそれは同じだ
いつ何を削って生きていくのか
最後はどんな形になっているのか
それを思い描くと
違った生き方が見えてくる